2011年からキャンプを続けてきて、2023年までは犬も一緒でした。この記事では、関西のキャンプで出会う虫と、時期・場所・装備での避け方を、2026年10月に厚生労働省などの公的な情報で確かめてまとめます。
犬を連れて行く人に向けて、マダニと蚊取り線香の注意点も入れました。
この記事の結論
- 関西キャンプの虫は「避ける」が一番楽。蚊(ヒトスジシマカ)はおおむね5月中旬から10月下旬、スズメバチは9〜10月がいちばん危ない時期
- マダニは春から秋(3〜11月)がずっと活動期で、冬も動く種類がいる。涼しい時期でも草むらの対策は要る
- 犬を連れて行くなら、動物病院でマダニの駆除薬を相談する。薬を使っていても、帰った後の体のチェックは続ける
- 蚊取り線香は、KINCHOもアース製薬も「犬や猫のいる所で使える・換気をする」と案内している
- それでも夏に行きたい時は、風通しの良いサイト・グランピング・日帰りに切り替える
虫が入りにくいコテージや宿に泊まるのも1つの方法です。
この記事でわかること
- 関西キャンプで遭遇する虫TOP6
- 犬連れで知っておくこと(マダニ・蚊取り線香・駆除薬)
- 装備での虫対策5選
- 時期・場所・時間帯で虫を避ける方法
- 刺されてしまった時の応急処置
- 「夏は虫が無理」という人への代替プラン
関西キャンプの虫TOP6 ― まずは敵を知る
関西キャンプで遭遇しやすい虫は大きく6種類。それぞれ厄介度が違うので、まずは知っておきましょう。
① マダニ(最重要・命に関わる)
最も危険度が高い虫。草の葉先で待ち伏せして、近くを通った人や犬に乗り移ります。
- 無理に引き抜くと口器が皮膚に残る
- SFTS(重症熱性血小板減少症候群)・日本紅斑熱・ライム病などの感染症を媒介する(犬ではバベシア症も)
- 厚生労働省によると、SFTSにかかった犬は約4割が死亡する
僕のテントでも、中をマダニが歩いていたことがあります。
② 蚊(朝夕のヤブカ・夜のイエカ)
キャンプ場で刺してくるヤブカ(ヒトスジシマカ)は昼間、とくに朝と夕方に活動します。夜に刺すのはイエカです。
- 活動する時期は、おおむね5月中旬から10月下旬
- 夕食の準備〜焚き火タイムに刺されやすい
- 高音の羽音で睡眠妨害
③ アブ・ブヨ・ヌカカ(吸血昆虫トリオ)
蚊と並ぶ厄介者。ブヨとヌカカは朝と夕方に活動します。
- アブ:皮膚を切り裂くように刺すので、痛みと出血がある
- ブヨ:皮膚を小さく切って吸血する。半日ほどで赤く腫れ、強いかゆみが数日〜10日ほど続く
- ヌカカ:1〜2mmと極小で網戸も通り抜ける。かゆみが数日続くこともある
④ スズメバチ・アシナガバチ(季節モノ)
スズメバチは9〜10月ごろに巣が最大になり、いちばん攻撃的になります。黒い服・香水は避け、ジュースの空き缶を置きっぱなしにしないようにします。
⑤ ヤマビル(湿った山の中)
落ち葉の下から出てきて、足元から這い上がります(木の上から落ちてくることはありません)。4〜10月、とくに6〜9月の雨の日や雨上がりに出ます。
付かれたら塩や消毒用エタノールをかけるか、爪でこそげ取り、傷口を洗って絆創膏を貼ります。
⑥ ムカデ(夜に動き回る)
夜に餌を探して動き回ります。咬まれると、すぐに強い痛みと腫れが出ます。
流水で洗ってステロイド入りの塗り薬を塗り、腫れが引かない時は病院へ行ってください。
大前提:虫の多い時期を避けるのがいちばん楽
装備で防ぐより、虫の多い時期と場所を外す方が楽です。ただ、僕自身は当時キャンプが楽しくて、暑いと分かっていても6月や9月に犬を連れて出かけていました(2013年6月の紀州加太、9月のアイリスパークなど)。
犬と泊まったキャンプ場の記録は、関西の犬連れキャンプ場12か所にまとめています。
犬連れキャンパーが絶対知っておくべき3つのこと
犬を連れて行く人は、次の3点を先に知っておいてください。
① 蚊取り線香は換気をして使う。犬用の薬を猫に使わない
KINCHOは蚊取り線香について「犬・猫・ハムスター・小鳥などのペットのいるお部屋でもご使用いただけます。ただし、十分に換気して使用して下さい」と案内しています。アース製薬も同じ案内です。
魚・両生類・爬虫類・昆虫を飼っている所では使えません。
僕自身は、犬を連れて行く時は蚊取り線香を使っていませんでした。
猫で中毒が報告されているのは、犬用のノミ・マダニの滴下薬やスプレー(ペルメトリンなどのピレスロイド系)を猫に使った場合です。犬用の薬を猫に使わないでください。
ペット用の蚊取り線香(アース・ペットの「ペット用 アース渦巻AC」など)もあります。
商品の安全性・使用条件は変動するので、ご家庭のワンちゃん・ネコちゃんに使うときは必ずかかりつけの動物病院に確認してくださいね。
② マダニはテントの中まで歩いてくる
上に書いたとおり、僕のテントの中をマダニが歩いていたことがあります。
国立感染症研究所は、マダニのいる場所で着た上着や作業着を家の中に持ち込まないように案内しています。犬も散歩やキャンプでマダニに吸血されます。
「外で防げばOK」ではないのがマダニの怖さ。撤収時・帰宅後にも犬の体を入念にチェックして、皮膚にしがみついている小さなマダニを見逃さないようにしましょう。しっかり食い込んでいる時は無理に取らず、動物病院で取ってもらってください。
③ 動物病院でマダニの駆除薬を相談する
僕は、キャンプの前にマダニのことを動物病院で相談してはいませんでした。毎年のワクチン接種の時に「外でよく遊ばせる」と伝えていて、何種のワクチンを打つかは獣医師が決めてくれていました。
- フロントライン プラス、ネクスガードなどの、ノミとマダニを駆除する薬(獣医師の指導の下で使う)
- 薬を使っていても、帰った後の体のチェックは続ける
- マダニが運ぶ病気を防ぐ犬用のワクチンは、公的な情報では確認できなかった
- レプトスピラ症はマダニではなく、ネズミなどの尿で汚れた水や土からうつる病気。川や水たまりで遊ばせるなら、ワクチンを獣医師に相談する
薬とワクチンは獣医師の判断と犬の体質・地域リスクで変わるので、かかりつけの動物病院に「キャンプに連れていくのですが」と相談するのが確実ですよ。
装備での虫対策5選
ここから、家族と愛犬の両方に使える虫対策ギアをご紹介します。
① 蚊取り線香
KINCHOとアース製薬の蚊取り線香は、どちらも犬や猫のいる所で使えると案内されています。
- サイトの風上に置いて煙を流す
- 閉めきった所では使わず、換気をする
- 火の元は犬の届かない場所に
② ハッカ油スプレー
天然成分系の代表格。健栄製薬の作り方は、無水エタノール10mlにハッカ油5〜10滴を混ぜてから、精製水90mlを足す方法です。
- 服やテントの周りにスプレー
- 虫よけの効果は「あるとされている」という扱いで、医薬品の虫よけではない
- 猫はハッカ油の成分が苦手なので、猫のいる空間では使わない
③ 長袖・長ズボン・足首の防護
装備での防御が一番確実です。
- 薄手の長袖シャツ(吸汗速乾)
- ズボンの裾は靴下に入れる(マダニ侵入防止)
- 首にタオル(首筋を守る)
特にマダニは草むらを歩く時に乗り移ってくるので、足首の防護が肝心。
④ 蚊帳付きテント or インナーメッシュ
ベンチレーションと蚊帳の両立ができる夏向けテントは、就寝時の虫ストレスをほぼゼロにしてくれます。
- インナー全面メッシュ
- 入口に二重ジッパー
- 設営後に内部をライトで照らしてチェック
⑤ 虫除けスプレー(ディート系・イカリジン系)
人間用の本格的な虫除けスプレー。皮膚に直接スプレーします。
- ディート:対策できる虫が多い。6か月未満の乳児には使わない・2歳未満は1日1回・12歳未満は1日1〜3回で、顔には使わない(濃度30%の製品は12歳未満は使えない)
- イカリジン:年齢や回数の制限が無く、子どもにも使える
- 犬には人間用の虫よけを使わない(犬用の製品を使う)
時期・場所・時間帯で虫を避ける
装備に頼り切るのではなく、そもそも虫が少ない条件を選ぶのがいちばん楽。
① 時期で避ける
| 時期 | 虫の様子 |
|---|---|
| 3〜4月 | 蚊はまだ少ない。マダニは活動期に入る |
| 5月中旬〜6月 | 蚊(ヒトスジシマカ)が出始める。ヤマビルは6〜9月に多い |
| 7〜8月 | 蚊・ハチ・マダニが全部いる |
| 9〜10月 | スズメバチがいちばん攻撃的。蚊は10月下旬ごろまで |
| 11月 | 蚊とハチは減る。マダニはまだ活動期 |
| 12〜2月 | 蚊とハチはほぼいない。マダニは冬も動く種類がいる |
蚊とハチを避けるなら、4月から5月の前半と11月が楽な時期です。ただしマダニは春から秋までずっと活動期なので、草むらに入らない・犬の体を見る、は季節を問わず続けてください。
② 場所で避ける
- 湖畔・川沿い:水場が産卵地なので蚊・ブヨが多い
- 森林や草地:マダニの居場所。シカやイノシシなどの野生動物が出る場所に多い
夏の暑さ対策は関西の夏キャンプの暑さ対策にまとめています。
③ 時間帯で避ける
- 朝と夕方:ヤブカ・ブヨ・ヌカカが活動する時間。長袖・足首の防護・虫よけスプレーを着けてから動く
- 昼:ヤブカは昼間も刺す。ハチも飛んでいる
- 夜:イエカが刺す。テントの入口は閉めておく
朝と夕方は必ず長袖・足首防護・虫除けスプレーを装着してから外活動するのが鉄則ですよ。
関西のキャンプ場で聞いた虫の話
僕がキャンプをしていた頃に聞いた話と、自分で感じたことです。
- 能勢:大きなアリが多いと、当時の口コミやブログで話題になっていました
- ハエ:基本的に、どこのキャンプ場でも割と多いです
「行ってみたら虫がひどかった」という体験は季節・天候・直前の雨量で大きく変わるので、必ず利用前に予約サイトの直近口コミをチェックするのがおすすめですよ。
刺されてしまった時の応急処置
完璧な対策をしていても、刺される時は刺されます。応急処置を知っておきましょう。
蚊・ブヨに刺された時
- 流水でしっかり洗う
- ステロイド外用薬(ムヒアルファEX等の市販品)
- 掻かない(化膿のもと)
- ブヨは半日ほどしてから腫れてきて、かゆみが数日〜10日ほど続く
マダニを発見した時
- 自分で取らない(無理に取ると口器が皮膚に残る)
- 付けたまま皮膚科へ行き、取ってもらう
- その後数週間は体調を見る。熱が出たら、マダニにかまれたことを伝えて受診する
蜂に刺された時
- 流水で洗い、冷やす
- 抗ヒスタミン剤やステロイド剤の塗り薬を塗る
- 針が残るのはミツバチ。残っていたらピンセットで抜く(指でつまむと毒の袋を押してしまう)
- じんましん・腹痛・気分が悪いなどの症状が出たら、すぐ救急車
犬がマダニに噛まれた時
- 無理に取らない
- 動物病院で取ってもらう
- その後もしばらく体調を見て、元気や食欲が落ちたら受診する
それでも夏に行きたい時の代替プラン
「家族の予定で夏休みしかキャンプに行けない」という人もいると思います。装備だけでは100%防げないのが虫の現実なので、戦略を変える選択肢も。
案A:避暑グランピング
エアコン完備のドームテントやコテージなら、虫侵入リスクが大幅に下がります。夏キャンプの代わりの案になります。
僕は使ったことがありませんが、グランピングの施設をまとめて探せる予約サイトです。
案B:装備を整えてからテント泊
虫対策装備をしっかりレンタルで揃えるという選択肢も。蚊帳付きテント・ベンチレーション充実のテントは新規購入だと高額なので、まずは借りて試すのが賢いですね。
案C:日帰りBBQに切り替える
「キャンプ=泊まり」と思い込まなくて大丈夫。日帰りBBQなら夕方の蚊タイム前に撤収できますし、犬連れさんにも優しい選択肢です。
よくあるご質問
Q1. ペットがいる所で蚊取り線香を使ってもいいですか?
KINCHOとアース製薬は、犬や猫のいる所でも使えると案内しています。条件は換気をすることです。
魚・両生類・爬虫類・昆虫を飼っている所では使えません。心配な時は、かかりつけの動物病院に相談してください。
Q2. マダニの薬は必要ですか?
春から秋の野山に犬を連れて行くなら、動物病院で相談してください。フロントライン プラスやネクスガードなどの、マダニを駆除する薬があります。
「キャンプにも連れて行きます」と伝えると、相談がしやすいです。
Q3. 関西で虫の少ないおすすめ時期は?
蚊とハチが少ないのは、4月から5月の前半と11月です。ただしマダニは春から秋(3〜11月)がずっと活動期で、冬も動く種類がいます。
涼しい時期でも、草むらに入る時の服装と、犬の体のチェックは続けてください。
Q4. テント内に虫が入った時はどうする?
夜ならライトを外に向けて誘導(虫は光に集まるので外に出ていく)。それでもダメならシュラフカバーに包まって朝を待つ。深追いすると刺される可能性が上がるので無理しないのが鉄則です。
おわりに
関西キャンプの虫は、装備だけで完全に防ぐのは難しい相手です。
犬を連れて行く人は、次の4つを意識してください。
- 蚊とハチの少ない時期(4月〜5月前半・11月)を選ぶ
- マダニは春から秋までいる前提で、草むらに入らない・帰ったら犬の体を見る
- 動物病院でマダニの駆除薬を相談する
- 蚊取り線香は換気をして使う
愛犬との関西キャンプが、虫を避けて気持ちよく楽しめる時間になりますように。
虫と薬の情報は、2026年10月に厚生労働省・国立感染症研究所・自治体・メーカーの公式サイトで確かめた内容です。ペットへの薬の使用は、かかりつけの動物病院に相談してください。










